オンラインストレージのヘビーユーザーの筆者の電子遊戯師です。筆者は、オタク女子向けニュースサイトを運営しています。
このニュースサイトでは、よく様々な企業からいただくプレスリリースのファイルをダウンロードしたり、ダウンロードしたファイルをプライベートクラウドのオンラインストレージへアップロードしたりしています。
さらには、容量はギガ単位となるミラーレス一眼で撮影した大量のRAW画像をよくオンラインストレージへアップロードしているため、それらから、固定インターネット回線が必須です。
従来まで、ドコモ光にプロバイダを「GMOとくとくBB」で契約し、v6プラスを使っていました。
v6プラスのパフォーマンスには問題なかったものの、筆者環境だと、有線接続にもかかわらず、速度が150Mbpsしか出ない上、業務用ルーターで諸事情でv6プラスも設定できず、VPNやオンラインストレージ・VPS管理関連での大容量の通信が頻繁なこと、今後、自宅内ネットワークにNASを設置した際に外部からアクセスするのに困難になることも想定されるため、前々から気になっていた法人向けのプロバイダサービス「OCN for VPNライト」を導入してみました。
「OCN for VPNライト」ですが、自宅で使うことから個人名義でも契約でき、従来のPPPoE接続でありがちな混雑時間帯の速度低下もみられない神プロバイダサービスです!
しかも、フレッツ光などのアクセス回線が必要となりますが、戸建て・マンションともに、1Gbps相当の回線なら、完全無制限での通信が可能でプロバイダ料金は2,068円です。
筆者宅の環境
導入前
- ドコモ光(プロバイダはGMOとくとくBB)でv6プラスを利用
- ASUSのWi-Fiルーター「TUF-AX5400」を使用
導入前の環境としては、ごくありふれた一般的な家庭の環境です。
ドコモ光を契約した際におすすめされたGMOとくとくBBを惰性で契約した形で、v6プラスを使っていました。
ASUSのWi-Fiルーターは、ゲーミングルーターを使っています。理由としては、ゲーミングルーターなら高性能なイメージがあっただけですw
導入後
- ドコモ光にプロバイダとして「OCN for VPNライト」を利用
- IPv4 PPPoEとIPv6 PPPoE設定を行った上でNECの業務用ルーター「IX2105」を利用
- ASUSのWi-Fiルーター「TUF-AX5400」は、Wi-Fiアクセスポイントとして利用
導入後の環境は、インフラエンジニアの知人から借り受けたNECの業務用ルーター「IX2015」を採用した形です。
「IX2015」は不慣れながらも、OCNのIPv4 PPPoEとIPv6 PPPoEの接続情報のコンフィグを投入しました。
この段階でほぼ “逸般の誤家庭” です。実際のところ、ルーターのコンフィグを投入する勉強も兼ねています。
「TUF-AX5400」は、引き継ぎWi-Fiのアクセスポイントとしての利用です。
IPv6 PPPoEを今の時代使うメリットはあまりないようですが、IX2105のコンフィグ投入勉強も兼ねてますので、利用しています。
あと、v6プラスがあまり好きじゃないのもあります。
そもそも、フレッツ光じゃないのに、ドコモ光(光コラボ)で他のプロバイダは使えるの?
「そもそも、フレッツ光じゃないのに、ドコモ光(光コラボ)で他のプロバイダは使えるの?」という質問がある方もいらっしゃると思いますが、答えは「Yes」です。
ドコモ光やソフトバンク光、ビッグローブ光、上級者に人気のenひかりなどのいわゆる “光コラボ” は、NTT東西のフレッツ光を再販している形となります。
そのため、基本的には光コラボは、NTT東西がエンドユーザーに直接販売しているフレッツ光と仕様が同じなため、各光コラボでなくても、ルーターの設定さえ変えてしまえば、他のプロバイダが使えるようになっています。
1Gbpsの通信が可能な光コラボは、NTT東日本エリアの場合、「フレッツ 光ネクスト ギガファミリー・スマートタイプ」と「フレッツ 光ネクスト ギガマンション・スマートタイプ」相当になります。
導入までの流れ
導入までの流れを紹介します。
①2022年9月23日:代理店のサイトから申し込み
2022年9月23日に、NTTコミュニケーションズの代理店の「株式会社エヌディエステレコム」からOCN for VPNライトを申し込みました。
申し込み後、システムで申し込みを受付けた旨のメールが届きました。
メールには、「担当者より『お申し込み内容のご確認』のご連絡を差し上げます」とのことでした。
②2022年9月26日:代理店の担当者から電話がくる
株式会社エヌディエステレコムの担当者から、登録した携帯電話へ電話がかかってきました。
内容としては、サービスの申込みの確認と、サービス内容の詳細な説明、最終的な注意事項の確認でした。
筆者は、ドコモ光の料金プランが、フレッツ光では、「フレッツ 光ネクスト ファミリー・ハイスピードタイプ」(最大200Mbps)と勘違いしていたので、電話で、1Gbpsのプランと説明したところ、「フレッツ 光ネクスト ファミリー・ギガラインタイプ」(最大1Gbps)と訂正してもらいました。
ドコモ光・ソフトバンク・ビッグローブ光など、最大1Gbpsの回線は、フレッツ光では、「フレッツ 光ネクスト ファミリー・ギガラインタイプ」相当となります。
担当者からの説明では、フレッツ光の種別を間違えると正しくOCNの接続ができないとのことでした。
③2022年9月27日:登録したメールアドレスにExcelファイルが届き、内容を記載後、印刷してFAX
担当者から電話をいただいたあと、代理店のサイトで入力したメールアドレスにExcelファイルが送られてきました。
Excelファイルに入力されている情報に間違いがないか確認した上、OCNから送られてくる暗号化ファイルのパスワードも正しいかどうか確認しました。
そして、問題がなければ、印刷した上でFAXを送ります。その際には、印鑑の捺印が必要でした。
筆者の申し込み方法では、Excelファイルをそのまま添付して担当者に送ることはできませんでした。
⑤2022年9月29日:OCNから接続情報のメールが到着
2022年9月29日に、OCNから接続情報のメールが到着しました。
接続情報が書かれているファイルの開封には、以前指定したパスワードを入力することで開けます。
ただし、ファイルのダウンロードの有効期限は決まっていますので、必ず、有効期限前にダウンロードが必要です。
⑥2022年10月5日:6営業日程度で開通
申込みから6営業日程度となった、2022年10月5日午前6時に開通となりました。正式な利用開始日は、翌日の6日からのようです。
5日の午前9時ぐらいに、IX2105にOCNのPPPoE接続を投入すると問題なく繋がりました。
速度は?
業務用ルーターに変更したことで速度が高速化
以前、ASUSのWi-Fiルーターでv6プラスを使っていましたが、Wi-Fi接続では、最大でも下りは150Mbpsしか出ませんでした。
しかし、IX2105の業務用ルーターに切り替えたことで、少なくとも150Mbps以上の速度が出るようになったので、業務用ルーター神!という結論に達しました。
IX2105自体、結構古いモデルのようで、ヤフオクなどで5,000円程度で購入できますが、逸般の誤家庭のデビュー用途に最適です。
ただし、Wi-Fi接続では、ASUSのWi-Fiルーター「TUF-AX5400」が足を引っ張っているようですが、通常利用には問題ありません。
PPPoE接続の混雑時間帯の速度低下はなし
PPPoE接続といえば、混雑時間帯の速度低下。
以前、GMOとくとくBBのプロバイダでPPPoE接続していた際には、夜間の時間帯は10Mbps程度しか出ないこともありましたが、いろいろなWebサイトを見ていても、個人向けOCNも例外ではないようです。
しかし、OCNの「OCN for VPNライト」は、法人向けの帯域となっているようで、混雑時間帯の速度低下が見られせん。
平日23時の計測で、276Mbps出ているので満足です。もちろん、IPoE接続であればもっと出る可能性もありますが、v6プラス利用時より速度が上がっている上、ポートの制限がないと思うだけで大満足です。
注意点
契約先は、NTTレゾナントではなくNTTコミュニケーションズ
「OCN for VPNライト」は、個人向けのOCNサービスの契約先となるNTTレゾナントではなく、NTTコミュニケーションズとの契約となります。
ただし、NTTレゾナントの個人向けOCNサービス(MVNOのOCNモバイルONEを含めて)とのセット請求も可能なようです。
10Gbps回線(フレッツ光 クロス相当)は使えない
フレッツ光 クロス、フレッツ光 クロス相当の10Gbpsの光コラボ回線では、「OCN for VPNライト」は使えません。
まだまだIPv4が主流なので、外部から使えるNASを置いてみたい
今回、「OCN for VPNライト」を導入したのは、転送量無制限のプロバイダにしたかったのと、v6プラスだと利用できない用途でもドコモ光の光回線を使いたかったからです。
まだまだIPv4が使われてる世の中ですが、SynologyとかQNAPなどのNASを置いて外部からアクセスできる上で、大量のファイルを保存する用途にも使ってみたいです。
さらには、v6プラスにありがちなポートの制限もないので、今後何をしようか妄想が捗りますね。
まとめ:個人でも使える「OCN for VPNライト」はポテンシャルあり
今は、ドコモ光などでは、IPv4 over IPv6接続が利用できるv6プラスなどが主流となっていますが、少し背伸びをしたいパワーユーザーには物足りない仕様となっています。
筆者は、大量のデータを頻繁にIPv4を含めてインターネットを通してやり取りするので、v6プラスでは若干不満がありました。
しかし、時代に逆行しながらも、IPv4 PPPoE接続でも十分な速度が出る上、転送量無制限で使える「OCN for VPNライト」は神ではないでしょうか。
「OCN for VPNライト」は、逸般の誤家庭のデビュー用途にも最適ですね。