インターネットイニシアティブ(IIJ)が提供する格安スマホ・IIJmioの「IIJmioモバイルサービス ギガプラン、モバイルサービス、モバイルプラスサービス」の国内音声通話料金が、2021年9月11日から、通常料金を11円/30秒(税込)に、同一の会員ID(mioID)内での通話料金を8.8円/30秒(税込)に改定されます。
今回の値下げについて、いろいろと妄想することができましたので、いろいろと書こうと思います。
発表について
発表内容は以下の通り。
- 2021年9月11日より改定
- 対象のプランにて、「みおふぉんダイアルアプリ」からの発信、またはプレフィックス番号なしでの発信において、通話料金が11円(税込)/30秒に
- 同一mioID内でご契約中の音声SIM同士で、日本国内から発信する通話に関して8.8円(税込)/秒に
- IIJmioモバイルサービス ギガプラン、モバイルサービス、モバイルプラスサービスの音声SIMでタイプD(NTTドコモ回線)、タイプA(KDDI回線)ともに改定
- 「通話定額オプション」の通話定額料金適用には、引き続きみおふぉんダイアルからの発信が必要
携帯キャリア(MNO)から、MVNOへの音声卸料金が下がったことから改定?
総務省から、携帯キャリア(MNO)に音声卸料金の値下げを迫っていた
MVNOのパイオニア・日本通信がきっかけで広まった格安スマホサービスですが、MVNOが始まって10年以上、音声卸料金はほとんど変わりませんでした。
そこで日本通信が総務省に掛け合い、総務省からMNOに対し、音声卸料金を下げるように迫っています。
日本通信は、それを受け、早とちりで音声卸料金が下がったことをイメージして、「合理的かけほプラン」を出しました。
ITmediaのIIJに対する取材では、「今回の値下げと音声卸料金との関係についてはコメントを控えた。」とのことですが、個人的な見解として、IIJの音声通話料金の値下げは、今回のMVNOに対する音声卸料金の値下げを受けてからだと考えています。
IIJmioの通話料金値下げは、交換機側でのプレフィックス番号の自動付与ではない?
既に、NTTドコモから、MNOが保有する交換機側でのプレフィックス番号の自動付与機能を利用して、NTTコミュニケーションズの「OCNモバイルONE」が通話料金の値段を下げています。また、交換機側でのプレフィックス番号自動付与で、音声定額プランも、ユーザー側で専用アプリを使わずに利用できます。
しかし、IIJが音声定額サービスは引き続きプレフィックス番号のユーザー側での付与もしくは専用のアプリ「みおふぉんダイアルアプリ」を使うように呼びかけていることから、IIJは交換機側でのプレフィックス番号の自動付与を使っていないと思われます。
IIJmioスマホでの通話はVoLTE音質で使えるのは最高
MVNOに対する通話サービスは、MVNOに “そのまま” 貸し出している
MVNOに対する通話サービスに関して、MNOは、MVNOに音声通話の仕組みを ”そのまま” 貸し出しています。
そのため、タイプDならNTTドコモ、タイプAならKDDI(au)のVoLTEをそのまま使えることになります。
今回のIIJの通話料金の値下げは前述の通り、音声卸料金の値下げで実現していると思われることから、プレフィックス番号を使った中継電話サービスと異なり、余計な電話会社を通らない通話をできることで、対応端末同士なら、VoLTEの高音質通話を享受できると思われます。
※正確には、4G/5Gエリア内にいれば、VoLTE通話ができますが、対応端末同士でなければ、高音質通話ができません。
プレフィックス番号での通話の音質はVoLTEの高音質ではない
なお、みおふぉんダイアルアプリをご利用の場合は、相手先が高音質通話可能な条件を満たしていても、高音質通話はしていただけません。通話品質が特に悪いということはありませんが、高音質通話非対応の端末間の通話と同程度の音質となります。ご了承ください。
— IIJmio (@iijmio) August 23, 2017
IIJmioの音声SIMを使ったことがないので、なんとも言えませんが、プレフィックス番号での通話に関して、余計な電話会社の回線を通ることから、VoLTEでの高音質通話を利用できません。
IIJmioの公式ツイッターでも言及されている通り、「みおふぉんダイアルアプリ」やプレフィックス番号の付与では、通常の通話サービスと同じ音質になります。
今回のIIJの動きに、mineoなどの他MVNOは追随する?
プレフィックス番号の交換機側での自動付与もしくは、音声卸料金の値下げを受けた料金改定で値下げ?
これに関しては、各MVNOのさじ次第と言えるでしょう。
プレフィックス番号の交換機側での自動付与もしくは、音声卸料金の値下げを受けた通話料金の改定は、なかなかどちらを選べば利益が上がるのかわからないと思います。
とは言いつつも、音声通話料金が下がれば、ユーザーとしては嬉しいばかりです。
まとめ
- IIJmioの音声定額サービスを使うのに、専用アプリかプレフィックス番号のユーザー側での付与が必要なことから、MNOがMVNOに対して卸す、音声卸料金を下げたことからことから、今回の値下げが実現?
- 音声定額サービスを使わない、通常の通話では、VoLTEの高音質通話が使えるかも
- 他MVNOがプレフィックス番号の交換機側での自動付与か、音声卸料金を下げたことのどちらで通話料金を下げるのかは何とも言えない
こんな感じです。
長年、モバイル業界をウォッチしてたことから、いろいろと妄想を書きましたが、音声通話料金が下がることは非常に良いことです。やはり、LINEでの通話ができる世の中になりましたが、携帯電話の普通の音声通話は、安定性も音質も抜群ですので、まだまだ社会インフラとして大切なものだと思います。
[IIJmio]