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IIJmio meeting 31にオンラインで参加してきたので感想をいろいろと。スマホのカメラ事情の話が興味深かったです!

格安スマホ(SIM)でお馴染みのインターネットイニシアティブ(IIJ)が提供する「IIJmio」ですが、定期的にガジェット・スマホ・通信に興味がある方々を対象に、「IIJmio meeting」として勉強会を開催しています。

以前は、「IIJmio meeting」は対面で行われていましたが、新型コロナの影響で、オンラインでの開催となっています。

今回、2021年10月30日(土)に、IIJmio meeting 31がオンラインで開催されたので、いろいろと感想を書こうと思います。

IIJの堂前さんからの「IIJmio Updates」

IIJの堂前さんから語られた「IIJmio Updates」。今回スライドは以下のサイトを参照してください。

My IIJmioアプリのセキュリティ事故について

今回の「IIJmio Updates」では、まず、新サービスや新作端末の話ではなく、My IIJmioアプリのセキュリティ事故について、堂前さんから語れました。

今回のセキュリティ事故は、APIサーバの不備から起こったそうですが、MVNO業界を牽引していく存在のIIJmioにとってみれば、痛手の事故となりました。

やはり、人間が関与する以上、セキュリティ事故を0にすることは難しいですが、今回の事故において、当該箇所の修正および、当該箇所以外の再点検を行い、現在最終確認を行っているそうです。

再公開については、堂前さんの話ぶりからすると、「まもなく」というようなイメージです。

みおふぉんダイアルアプリを使わなくても30秒11円の通話料金になった話について

2021年9月11日より、IIJが提供する通話プレフィックス付与番号アプリ「みおふぉんダイアルアプリ」を使用しなくても、30秒11円で通話ができるようになりました。

ただし、通話定額オプションがない場合、タイプD(NTTドコモ回線)・タイプA(KDDI回線)ともに新料金での通話ができるそうですが、その一方で、通話定額オプションがついている場合、タイプDは通話定額が利用できるものの、タイプAでは利用不可とのこと。

しかし、ユーザーへの案内において、タイプD・タイプAを区別してアナウンスをすると、タイプAのユーザーが誤って「みおふぉんダイアルアプリ」を使用せず通話することも想定されるため、IIJでは、「通話定額オプションを利用する場合は、みおふぉんダイアルアプリを使ってほしい」とアナウンスを統一しているそう。

この点は、IIJもユーザー目線に立っているのが評価されるべきです。やはり、最近の格安スマホは、販売チャネルが、IT・スマホに詳しくないユーザーにアプローチしていることもあり、従来のITに詳しいユーザーから、メインの軸が変化していることがよくわかると思います。

iPhoneにおける緊急通報の問題について

弊サイトでも取り上げていますが、iPhoneにおいて、eSIMおよび物理SIMに関わらず、データ通信専用のSIMカードとセットでデュアルSIM運用をすると、緊急通報(110番など)ができない事象が発生しています。

この問題に対して、IIJでは、緊急時に通報できないのは問題なので、「別途2台目の端末を用意する」か、「デュアルSIMをやめてください」と説明していました。

ただ、IIJは、2021年10月現在のiOSの最新バージョンでも改善されていないと指摘していて、Appleがどう動くのか、今後の動きを見守る必要があります。

+メッセージについて

最近、大手3キャリアが提供している「+メッセージ」についても言及していましたが、このアプリは、MVNOが提供するのではなく、キャリアが運営し、かつ、MVNOユーザーにキャリアが直接提供する形となっているそう。

IIJ側でも、詳しい仕様の情報は持ち合わせていないとのことで、IIJmioのMVNOのネットワークでどう動くのかも、今後の情報が期待されます。

IIJの永野さんは「SIMフリースマホの昔と今」をプレゼン

IIJの永野さんから、「SIMフリースマホの昔と今」についてプレゼンがなされました。

プレゼンの序盤では、最近発売された新端末の紹介がなされました。

新端末はやっぱり良いですね。IIJの配信ではいつも中継用のカメラの使い方がうまいと思っていますが、今回も絶妙なアングルから、新端末が紹介されていました。今回の配信でのスクリーンショットが貼れないので、残念ですがw

そして、SIMフリースマホの登場時期などをまとめて紹介。この作業も意外に永野さんの労力がかかっていると思いますが、IIJmio meetingに対する本気さを感じられました。

次に、スマートフォンにおける「カメラ」の話となりました。

こちらも、昔の携帯電話から紹介されましたが、ここまで調べるのは非常に大変そう。しかし、視聴者側の筆者からすると、非常に興味深い内容で、かなりの勉強になりました。

その次に、カメラの仕組みについて紹介。永野さんの知識の深さには脱帽です。イメージセンサーのことについても、筆者はカメラについて全く知識がないので、今後スマートフォンを購入する際にはとても参考になります。

途中、メーカーごとのカメラの性能についての解説もありました(著作権の都合上、スクリーンショットを貼れないのでごめんなさい)が、公私ともにガジェット好きの永野さんの本気さを感じました。ここまで分析できるのは、すごいとしか言えません。

最後に、Google Photoについて軽く説明後、プレゼンが終了しました。今回のIIJmio meetingでは非常にタメになる発表ではないでしょうか。

IIJの圓山さんから「音声通信の世界」のプレゼン

IIJの圓山さんからは、「音声通信の世界」のプレゼンがなされました。

音声通話に関する技術的な仕組みについて解説されていましたが、IP-CentrexやVoLTEの接続構成例やIMSの各種シーケンスなどにも言及されていました。

いろいろと通信に関して詳しいつもりの筆者としては、途中わからなくなってしまったところもありますが、IIJmio meetingに集うITクラスタの方も、お腹いっぱいになるほどのプレゼンだったのでしょうか。

IIJの佐々木さんから「MVNOの音声通話を巡る最新状況」のプレゼン

IIJの佐々木さんからは、MVNOにおける音声通話に巡る最新状況について、プレゼンがなされました。

今回のプレゼンでは、 “ナウ” な動向について語られましたが、MNOも結構残酷なんだと思ったプレゼンでした。

具体的には、NTTドコモが2011年度に音声の卸料金に対して、30秒14円が設定したものの、2020年まで一度も引き下げを行っていなかったことや、最近のMVNOのトレンドである中継電話サービスについてや、2020年ぐらいから行われたモバイル音声卸に関する代替性検証について解説されました。

IIJでは、MNOの動きを受けて、音声通話機能付きSIM(みおふぉん)の加算額を大幅に引き下げられて「ギガプラン」のサービスが開始できたり、MNOの交換機側での自動プレフィックス付与で専用アプリ(みおふぉんダイアルアプリ)を必要なしに30秒11円でできるようになったようです。

また、MVNOへの電話番号の直接付与についても、佐々木さんは言及されていましたが、現時点では、直接IIJが電話番号を取り扱う利点は少ないそう。これに関して、IIJが電話番号の直接の指定を受けるのに必要なIMSを展開する予定もなく、IIJから総務省へ意見を伝えたり、情報収集を行う段階だそう。

フリートーク

フリートークでは、Twitterで募集された50の質問について、IIJの方々が回答されました。

中でも、筆者が吹き出しそうになった質問として、「iPhoneのDual SIM運用では緊急呼ができないこと ‘も’ あると、 “以前よりは” 広く知れ渡ったわけでありますが、Is this not good for the market?」とありますが、IIJの競合他社である日本通信の代表取締役会長を務める三田聖二氏の名言をうまく使った形です。

その他、MVNO業界を取り巻くことについて、IIJの方々が回答されましたが、このようなイベントで、情報を公開することは良いことだなと思いました。

まとめ

今回のIIJmio meetingは、オンラインで開催されましたが、早く新型コロナが落ち着き、オフラインで開催されることを願うばかりです。

やはり、IIJの堂前さんと佐々木さんのお話は安定して面白いです。永野さんのお話もとても参考になりましたし、ガチなIT系クラスタの方には、圓山さんのお話は突き刺さる部分があると思います。

今回はこのような機会を設けていただき、ありがとうございました。

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