0円維持ができると話題の楽天モバイルでしたが、残念ながら、タイムリミットが来てしまったようです。
2022年5月13日に、楽天モバイルは、新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」(楽天モバイル契約者は全員移行)を発表し、従来から展開されていた1GBまでの利用の場合に適用されていた月額0円のプランを廃止します。
ライトユーザーなど、月額0円(無料)で維持できた楽天モバイルを重宝していた方も多いと思いますが、残念ながら、今後提供される新料金プランでは、最大でも月額1,078円の支払いが必須です。
そのため、楽天モバイルから、1円でも安い他社へ乗り換えを考えている方も多いと思います。
今回ですが、筆者が独断と偏見で選ぶ乗り換え先(代わり)を選んでいきたいと思います。
0円運用の楽天モバイルからの乗り換え先3選
①同じく0円運用可能の「povo 2.0」(au回線)
楽天モバイルと並んで、月額0円で運用できると評判のpovo 2.0。
5月13日の楽天モバイルの発表から、多くのユーザーが乗り換えの手続きをしていたことから、窓口が混雑したようです。
改めて解説しますが、povo 2.0は、KDDIが提供するオンライン専用ブランドです。mineoやIIJmioといったau回線を使うMVNOと異なり、auの回線をそのまま使っています。しかも、何もしなければ、月額0円維持が可能です!
また、povo 2.0は、丸亀製麺やはなまるうどんでうどんや天ぷらを取って食べるように、 “トッピング” と言われる、自分の好きな機能を選べる料金制度となっています。
デフォルトでは、月額0円となっていますが、高速のデータ通信を利用したいときや、DAZNといったオプションを使いたい場合は、トッピングとして課金します。
ちなみに、このブログのもうひとりの筆者である白田はドコモ回線からpovoに切り替えました。
povoは実験のようなキャンペーン期間限定プランを頻繁に行い、使い倒せば安上がりになることが多いのが特徴です。3GB(90日間)1280円や、1GB(180日間)1260円、120GB(365日間)20,000円などがありました。
これからもトガッたプランの登場に期待がもてます。
デフォルトでは128kbps制限に
povo 2.0については、トッピングを何もしない月額0円での状態の場合、通信速度は128kbpsとなっています。
128kbpsは、バースト機能もないので、実際にはテキスト主体のWebサイトの閲覧や、Twitterなどの利用しか向きません。さらには、5G時代となった今日ですが、使う人によっては、かなりのストレスとなります。
povo 2.0は無料と叫ばれていますが、楽天モバイルのように月1GBまで高速でのデータ通信が無料ではなく、povo 2.0は、かなり遅い128kbpsの状態でしか無料となりません。
まともに使いたいなら、トッピングが必須
前述の通り、povo 2.0は、課金をしていない状態では、128kbpsの状態となります。そこに、トッピングを課金してこそ、povo 2.0はまともに使える状態になります。
トッピングも、1GBのデータプランなどから選ぶことができ、使い方によって、UQモバイルやauなどよりも、自由に課金形態を選べます。
なんと言っても、povo 2.0は、1日間のデータ通信を無制限で利用できる330円のオプションもあります。
ユーザーの自由な使い方を実現できるpovo 2.0は、まさに次世代の通信サービスと言えます。
電話の待受専門の回線ならベスト
当然ながら、povo 2.0は、回線の維持費は無料ですので、電話の待受も無料で利用できます。
データ通信はほとんどしないけれど、電話を受けることが多い方には、povo 2.0は断然おすすめです。
ただし、180日の間に有料トッピングをしなければ、回線は停止されてしまう点はご了承ください。極端な話、半年に1回、330円のデータ使い放題のトッピングさえしてしまえば、後は、電話の待受はし放題です。
電話を発信することが多い方は、かけ放題のトッピングもぜひとも検討してみて下さい。
弊サイトにて動作の保証はできませんが、電話のみの使い方なら、auのAndroidフィーチャーフォン(いわゆる「ガラホ」)で使えば、さらに快適に使えます。
②月額290円からの日本通信「合理的シンプル290プラン」(ドコモ回線)
MVNO(格安スマホ・格安SIM)の先駆者である日本通信。日本通信は、国内で初めて、大手携帯キャリアのネットワークを借り受けた形で、携帯電話サービスを展開した老舗の事業者です。
2010年前後の格安SIMの黎明期では、かなりのシェアを握っていたものの、おいしいところを、大手通信プロバイダのインターネットイニシアティブ(IIJ)に取られて、一時は携帯電話業界で存在感を失っていました。
しかし、日本通信は、b-mobileブランドで展開していた格安スマホサービスを、「日本通信SIM」としてリニューアル。
日本通信SIMは、「合理的シンプル290プラン」で、高いとされていた携帯電話業界に一石を投じました。
なんと、「合理的シンプル290プラン」は、月額290円で月1GBまでの高速データ通信と音声通話が可能な格安スマホサービスです!
楽天モバイルやpovo 2.0のように、無料までは行きませんが、月額290円で維持できるのは、すごいです。
回線は、NTTドコモのネットワークを使っています。ドコモの4Gネットワークは、日本全国において、ほぼ完成していると言っても過言ではありません。楽天モバイルのように、基地局の数があまりないという訳ではないので、日本通信は、アウトドアでも気兼ねなく使えます。
格安スマホ(MVNO)の老舗という安心感も
日本通信は、日本で初めて、大手キャリアのネットワークを借り受けてサービス展開を進めている事業者です。
そのため、格安スマホに関するノウハウは充実しており、中小企業ながらも、安心してメインの携帯電話回線を日本通信に預けられるのではないでしょうか。
日本通信自体、携帯電話に詳しい方にはいろいろ言われつつも、15年以上、サービス展開を進めているので、サービスの継続の安心さも問題ないはずです。
最悪の場合、日本通信から、携帯電話サービス撤退も考えられますが、ほとんど可能性は低いと言えます。
もしサービス撤退をしても、同業他社へ事業譲渡する(格安スマホの「フリーテル」が破産したときは、楽天モバイルへ事業譲渡した例があり)と思われるので、ある日突然、携帯電話は使えなくなったということはありません。
決めた容量を超過後は、データ通信が不可能に
月1GBで月額290円で使える日本通信の「合理的シンプル290プラン」ですが、決めた容量を超過した後は、データ通信が不可能になります。
データ容量の超過後は、日本通信のWebサイトとマイページしかアクセスできません。
この「合理的シンプル290プラン」の仕様は、IIJmio、mineoやOCNモバイルONEといった他社格安スマホとは異なります。
混雑時には、速度低下があったりすることも
日本通信の「合理的シンプル290プラン」は、NTTドコモからネットワークの一部である一定の帯域を借り受けてサービス展開を実施しています。
日本通信では、NTTドコモのネットワークをフルに使っている訳ではないので、格安スマホでありがちな混雑時の速度低下が発生します。
具体的には、平日昼休み(12〜13時)の時間帯に最も混雑し、続いて、夕方の時間帯に速度が遅くなることが大半です。
この混雑の仕様は、事業者の努力では改善できないことも大半です。昼休みの時間帯にスムーズに使いたいなら、楽天モバイルを解約せずにそのまま使うか、KDDIの回線をそのまま使うpovo 2.0でトッピングをして使ってください。
VoLTEの高音質でキャリアよりも安価に通話が可能
日本通信独自のメリットとして、対応機種であれば、「VoLTE」の高音質を享受しながら、大手キャリアよりも安価な通話料金で、音声通話ができる点が挙げられます。
日本通信は、音声通話において、NTTドコモの原価ベースの卸価格に準じた価格で提供しています。mineoやIIJmioなどの他格安スマホも、この料金で提供できますが、大人の都合で、他通信事業者の設備を経由(プレフィックス)して、エンドユーザーに安価な価格で音声通話を提供しています。
日本通信は、業界でもほとんど見られない、プレフィックスを経由しないで安価な価格で音声通話を提供しているため、対応端末同士であれば、VoLTEの高音質を享受しながら、キャリアよりも安い料金で通話ができます。
mineoやIIJmioなどでは、プレフィックス番号をつけて通話すると、安価で通話ができますが、他社を経由するため、VoLTE端末同士でも、高音質な通話はできません。
eSIMにも対応
日本通信の「合理的シンプル290プラン」は、eSIMに対応します。
「合理的シンプル290プラン」は、eSIMを使えば、DSDVに対応しているデュアルSIMのiPhoneなどでも、他社SIMとの併用がしやすくなるのが大きな特徴です。
格安スマホ業界では、まだまだeSIM対応はあまり進んでおらず、2022年6月現在、IIJmio(データ通信のみ)、Linksmate、日本通信のみです。
やはり、eSIMを使えば、プライベートと仕事の電話回線を1台のスマートフォンで使えたり、音声のみの通話回線と、データ無制限プランの回線を分けられたり、さらには、楽天モバイルが繋がらないときに備えた回線の使い方など、自由度が広がります。
残念ながら、事務手数料が高いのが難点
日本通信の「合理的シンプル290プラン」は、事務手数料が3,300円発生します。
日本通信自体、事務手数料の割引や無料キャンペーンを基本的には実施しない会社なので、いくら月額290円で回線を維持できても、初期費用がネックになることも考えられます。
ポイントサイトなどにも掲載されていないため、ポイ活をされている方には、残念としか言いようがありません。
③ドコモのエコノミー認定の「LIBMO」(ドコモ回線)
個人的には、楽天モバイルからの乗り換え先としては、株式会社TOKAIコミュニケーションズの「LIBMO」が良いのでは?と思っています。
LIBMOは、TOKAIコミュニケーションズが展開するNTTドコモのネットワークを使っている格安スマホサービスです。TOKAIは東海地方になじみのある創業から45年以上続く通信事業者として老舗の会社です。
筆者もLIBMOを検討しており、静岡県在住の2023年8月現在、docomo系の回線で混雑時間帯の速度低下があまり起こらないことから、「なるべく安価に携帯電話回線を使いたい」のと、「快適なネットワークを使いたい」という欲望を両立する数少ない格安スマホサービスとして狙っています。
実質的に、LIBMOは、ドコモの “エコノミーMVNO” としてされているので、サービスの継続性も問題ありませんし、TOKAIコミュニケーションズの事業規模から、こちらも安心してメインの携帯電話番号を預けられると思います。
老舗通信事業者が手掛ける安心感
LIBMOのTOKAIコミュニケーションズは、東海エリアに地盤を置く通信企業です。グループ会社ではケーブルテレビの配信も行っています。全国的には知名度は薄いかもしれませんが、東海エリアでは知名度も抜群ですし、LIBMOをきっかけに全国的に知られることに期待が持てます。
もちろん、TOKAIコミュニケーションズは、TOKAIの関連企業で、ガスを提供するなど地域インフラを担っているので簡単に “潰れる” ということはないと考えられます。通信事業としても1996年からインターネットプロバイダー「@T COM」を提供しており長期に渡って多くのユーザーに提供しているため、全体的に、実績もありますし、安心感もあります。
LIBMOは、NTTドコモとLIBMOの接続回線の設備増強工事の2023年4月に実施しており、格安ながらも増強が行われるので回線についてはこれからもかなり期待が持てます。あまり目立たない存在ながらも、格安スマホの中では、十分おすすめできる事業者であります。
設備増強工事のニュース
https://www.libmo.jp/news-archive/2023/04/27/14424/
格安スマホ(MVNO)の中では、速度が速い部類
LIBMOは、格安スマホ(MVNO)の中では、速度が速い部類に入ります。
他社のIIJmioなどの格安スマホと比較しても、IIJmioが平日昼休みの時間帯に、3~5Mbpsのところ、LIBMOでは、10Mbpsも出ることがあります。
運営元のTOKAIコミュニケーションズは、ドコモのエコノミーMVNOとして接続帯域を十分に確保していることから、速度が速い部類に入っているのだと思います。
3GBプランなら月額980円
月に980円3GBが音声ありで最安なので、特に目新しい料金構成ではないのですが、前述の通り、回線増強を2023年になっても行っています。
他のMVNOは安い回線なので増強は二の次三の次となりがちなのですが、LIBMOは後発であることからつながりやすさや回線速度について本気度が伺えます。
通話5分無料で500MBプランも
月に500MB使える月額1100円のプランでは、5分までの通話が無料となります。音声通話が多い人におすすめです。
月に500MBなら、ガラホ(Android搭載のフィーチャーフォン)の利用なら、全然問題ありませんし、小学生や高齢者など、待受メインで使う使い方なら、断然お得です。
ガラホ利用ですと、もちろん、データ通信もできるので、簡単なWebサイトの閲覧にも対応できます。
ドコモショップで契約もできます
LIBMOが嬉しいのは、ドコモショップで契約ができる点。
ドコモショップでは、LIBMOを、「ドコモのエコノミーMVNO」という名称で取り扱っています。全国各地のドコモショップで取り扱いがあるので、対面での手続きが可能です。TOKAIが主軸としている静岡県等のエリア限定にはなりますが即日開通サービスが受けられるのも魅力的です。
さらには、ドコモショップで販売されている機種とのセット購入もできる上、知識が豊富なドコモショップの店員さんからの対応も受けられるのも、メリットです。
もちろん、高齢者の方に嬉しい、ドコモショップの「ドコモスマホ教室」の参加もできますよ。
LIBMOは、NTTドコモが直接提供するサービスではないものの、ドコモショップでの販売を通して、らくらくスマートフォンなどもセットで購入できたりと、スマートフォンのライトユーザーにも視野を広げたサービスです。
3社の中から、筆者がおすすめする格安スマホは?
IT・インターネットに詳しいなら、日本通信「合理的シンプル290プラン」を断然おすすめ
筆者が独断と偏見で選ぶとして、IT・インターネットに詳しい方なら、日本通信の「合理的シンプル290プラン」をおすすめです。
全体的に、日本通信のSIMカードは、サポートページの説明が手薄いため、どうしても、IT・インターネットに詳しい方でないと、スムーズに対応できない印象です。
もちろん、YouTubeなどの解説動画を見れば、設定がわからない方もできないことはないですが、実際に日本通信のSIMカードを使いはじめて、わからないことがでれば、問題の解決にはかなり困難なイメージです。
しかし、IT・インターネットに詳しい方なら、日本通信の「合理的シンプル290プラン」は、断然おすすめです。
サポート面を切り捨てているため、その分、安価な料金を実現しているのは見逃せません。
スマートフォン初心者は、LIBMOがベター
スマートフォン初心者なら、LIBMOが断然ベターです。
LIBMOの申し込みもインターネットでできますが、ドコモショップでも申し込みが可能です。場合によっては、有料ながらもスマートフォンの全体的な設定も実施してくれることもあります。
もちろん、LIBMOは、TOKAIコミュニケーションズという老舗の通信事業者が運営していることから、スマートフォン初心者でも安心感は感じられるはずです。安心して、メインの携帯電話番号を預けても良いと感じるでしょう。
ドコモショップでらくらくスマートフォンを購入して、高齢者の方に持たせたり、ヨドバシカメラなどの家電量販店でOPPOやXiaomiの激安スマートフォンを購入して、中学生に “初スマホ” として渡すのも十分アリです。
まとめ
KDDIの「povo 2.0」、日本通信の「合理的シンプル290プラン」、NTTコミュニケーションズの「LIBMO」は、筆者の中でも、楽天モバイルからの乗り換えには、非常にベストな選択肢であると考えています。
もちろん、他には、mineoやIIJmio、ワイモバイルやUQモバイルといった選択肢もありますが、安価な料金でデータをほとんど使わない超ライトユーザーなら、筆者が挙げた3社に限られてくると思います。
楽天モバイルもメリットは多数ありましたが、楽天のトップの三木谷浩史さんが言うに、「0円の維持はかなり困難」であったみたいです。0円で使えなくなったのは、正直悲しいですが、いずれの3社に乗り換えて、1円でも安く携帯電話を使いましょう!